ゆっくりなお産にはワケがある

「ゆっくり」と言っても、いろんなゆっくりがあります。

出産予定日からずいぶん遅れて生まれる「ゆっくり」もあれば、陣痛が始まってから赤ちゃんのお誕生まで 分娩所要時間 が長い「ゆっくり」もある。

すべてそうなるには意味がある、ワケがあることを私たち助産師は知っています。でもそれが何なのかはお産までにわかることもあれば、赤ちゃんが生まれてきてみて「あ~、だからゆっくりだったんだね」とわかることもある。

いつも赤ちゃんが先生。赤ちゃんに合わせることが一番のご安産なはず。赤ちゃんがなぜゆっくり生まれてくるのを望んでいるのか、あれこれ思いを巡らし助産業務ガイドラインで異常とみなされるタイムリミットまでは赤ちゃんの声なき声に集中して耳を傾け、赤ちゃんがお元気であることを確認、感謝しながら「赤ちゃんがえぇようにしてくれはる」と何回も心の中で唱えます。

 

今回は、お産に繋がった本陣痛の始まる1週間以上前から、前駆陣痛が何回もあり~最初は軽い陣痛が15分間隔から一時は3分間隔にもなって「いよいよか?」と数時間~数日間続いたあとおさまる~を4回経験されました。初回は「特に経産婦さんは、赤ちゃんがお産の予行練習してくれることも多いですよー」と私ものんきに説明していましたが、回を重ねるうちに「ここまできてお産に繋がらないのはなんでだろう?」と私の頭の中はぐるぐると。もしかしてお家で生まれたくないのかなぁ?とか・・

 

でも最後はやっぱり、「赤ちゃんがえぇようにしてくれはる」

赤ちゃんを信頼していて良かった~!

赤ちゃんの生まれ出る力を信じて待っていたら5回目の陣痛発来!! ご家族がもともとご希望・予言?されていた「世紀の4連休中」歴史的な「TOKYO 2020 開会式の日」にお元気な産声を響かせてくださいました!

43センチの短めのおへその緒を首に巻いて出てこられました。

あなた!天才だわ!苦しくないようにゆっくりゆっくり調整して十分に準備して出てきましたね。ようこそ~♡

 

赤ちゃんとともに長~い旅を無事終えられたお母さん「3回のお産の中では一番楽だった」と。そうですか!

長い経過をたどっても疲れ果てないで、すぐに新しい生活がスタートできたことはさすが3人目さん。

移動なくご自宅で赤ちゃんをお迎えいただけたので、

このあとは「ゆっくり」ご家族との蜜月をお過ごしいただけますように♡

 

長旅お疲れ様でした!その旅にお伴させていただきありがとうございます!

今後も一生の旅のお伴させてくださいね~