和歌山の「3産婆と語ろう」~こころの伝承に参加してきました!

9月7、8日 1泊の宿泊研修        現役助産師3産婆(さんばば)先生方に会いに、紀伊田辺まで行ってまいりました。

御年94歳92歳85歳の3産婆さまは戦前戦中戦後の産めよ増やせよの時代から少子高齢化の現在もなお背筋をピンと伸ばされ生命誕生の現場に立会い続けていらっしゃる神様みたいな方々でした。

(写真は後列が東京からご参加の岡本先生、右端が京都からの福井さん、3産婆先生、左端が木村)

 

こころの伝承研修では今も続く現役生活の中で、「心に残るお産」「今まで助産師を続けてこられたコツ」などをお話くださり、時には長いお付き合いのお3方ならではのお笑いのような掛け合いの場面もあり、全国から集まった9名の後輩に、愛のこもったエールを送ってくださいました。

 

夜は今も入院分娩を受け付けておられる2軒の助産所に分かれて宿泊させていただき、先生と一緒に朝食もご馳走になりずっと一緒にいさせていただきました。私は94歳の坂本フジヱ先生の助産所で泊めていただきましたが、ちょうど産褥入院の母子もいらっしゃり、また、乳腺炎らしきお母さんからの電話が入ったり、と先生のお仕事なさるお姿も拝見できました。

 

2日目は3軒の助産所を順番に見学訪問させていただきました。棚の奥にしまっておられた、自宅分娩や往診に持ち歩いておられた年代物の器械類(私が写真でしか目にしたことがなかったような)やカバンなどを拝見し、産婆の歴史も肌で感じました。また診察室には現代的なエコーや分娩監視装置なども完備し使いこなされて、これだけご経験豊富な神様のような産婆さまでも、やはり助産師はいつまでたっても勉強なのだなぁと恐れ入りました。

 

この2日間でたくさんのお言葉をいただきましたが、私が一番心に残ったお言葉は「お産は祈りやで」です。お母さんも赤ちゃんもお産は命懸けだから助産師も命懸けだと。お産は何もなくて普通だけど、何かあった時には「どうか私の命差し上げますからこの方の命を助けてくださいって神様に祈るんや」と。

私の師匠も「祈りが大事」とおっしゃいます。神様みたいなお方はみな同じことをおっしゃるのだなぁと思いました。なので、私は今晩もご安産と平穏をお月さまに祈り、神様仏様に祈ります。そして祈るだけでなく日々勉強ですね。それから自分自身の健康に気を配ることと。

 

3産婆の先生方、これからもお元気で末永く私たち後輩助産師をお導きください。

今回こんな素晴らしい研修を企画してくださった現地の助産師、スタッフの皆さん、大変お世話になりました。

ご準備いただいた研修、郷土色豊かなお食事、各地への案内誘導、、、お土産まで!数々のお心遣い本当にありがとうございました。エールをいっぱいいただき、まだ幸せで温かい気持ちに包まれています。参加できて本当に幸運でした。

そして今回ご縁をいただいた大先輩含む8名の参加者の方々ともたくさんお話しできて、同志と過ごした2日間は何とも心地よい時間でした。それぞれの地でも3産婆先生方から教わったこの熱い想いをずっと持ち続けたいですね。またどこかで絶対お会いしたいです。

ありがとうございました。